21日(土)午後、狛江駅北口のノタリーノホールにて 小金井の現代座メンバー、木下美智子さんによる朗読劇
「遠い空の下の故郷」を開催した。
50名を目指したが、32名の参加。
終了後の「市原広子と語る会」も盛況であった。
キーボード演奏(松本まりこさん)と語りで聴衆を引き込む木下さん
これは反差別の朗読劇。
熊本と鹿児島の療養所の二人の患者の聞き取りをそれぞれ30分以上も織り込んで、伝聞を妥協なく表現しようとする姿勢に打たれた。
治療法が発見されてもなお、再度、新らい予防法(昭和28年)を制定し、それ以降もさらに強固な隔離政策を続けた日本。
らい予防法廃止のきっかけは、政府がらい予防法を見習って、エイズ予防法を作ろうとしたことへの反対運動だという。
平成8年のらい予防法の廃止後に、平成10年、熊本と鹿児島の入所者13人が「らい予防法は人権を保障した憲法に違反する」と政府を訴える。
そして、20年以上前の行為については損害賠償責任は問われない」という規定がある中で、1978年以降はそれほどひどい人権問題は発生していないと思われ、原告側の勝訴は難しいと言われましたが、今回、語りで取り上げた入所者の証言が裁判の原告勝訴を決定づけます。
それは、目が見えない夫が誤ってやかんを倒し、火鉢の灰が舞い上がり、妻の目に入り、それが治療されないままに失明したという証言。
眼科医が治療をわざと遅らせたという裁判での証言。
その証言をした患者ご本人からの聞き取りを朗読劇にも取り入れています。
国家やそれに連動しての地域社会の差別の構造と差別意識。
これを超えるのは大変なことだ。
小泉首相の時に坂口厚生大臣控訴を断念、首相が90年にわたり誤った国の政策を謝罪する談話を発表して法的には解決したとされている。
ここに至ることも大変だったと考えるが、差別をなくすことは並大抵のことではなく、ホテル宿泊拒否事件なども報道された。
NPO現代座は文化や人と人の触れ合いの中から共生社会をつくっていきたいと訴えている。
日本人の弱点は目に見える範囲への気遣いはこまやかだが、それ以上の社会や世界への視点が弱いことだと分析している。必要なのは人と人の触れ合いの中から情報を伝え合い、分かりあうことだという。
裁判を闘うということの並々ならぬ元患者の決意、それを支えた法律家。
そういった背景を知ってこの朗読劇の意味はさらに深く感じら、同時に、文化運動としての演劇を人の中に出前する現代座の伝えようとする思いを強く感じた。
われわれは伝える力を取り戻せるか!?ということだろう。
7.16さよなら原発1000万人の集約デモに参加。日光、栃木県から東海村から女川から、たくさんの人々が参加していた。私は恵比寿コースでデモ。