5月14日に決議、プレス発表しました。
アップが遅れました。
立憲ネット決議:朝鮮半島の戦争リスク緩和のために闘おう
●4月7日、トランプ政権は、米中首脳会談の最中、突然シリア・アサド政権の軍事基地への巡航ミサイル攻撃を行った。さらに11日には昨年来の金正恩政権の核実験・ミサイル発射実験をにらんで「米国は無敵艦隊を北朝鮮近海に送った、空母よりさらに強力な潜水艦もある」と言明し、北朝鮮の核とミサイルをめぐる「直撃戦争」の危険が高まった。「中国が協力しないなら米国は中国なしで問題を解決する」と公言し、中国への強い期待を表明した。世界が一瞬緊張した。その背景には理由がある。
3月7日、北朝鮮は在日米軍基地を軍事目標として掲げた発射訓練だ、として4発の弾道ミサイルを日本海に向けて発射。異例のことであった。
3月16日、訪日したティラーソン国務長官は「過去20年間の米国の北朝鮮政策は失敗であった」と言明。翌日の韓国では、新たな北朝鮮政策では「軍事力行使についてはすべてのオプションを検討する」とし奇襲攻撃を含む強硬策を表明した。
●北朝鮮への先制攻撃策は机上の空論である。
20年前、北朝鮮の核実験を前にしてクリントン政権は核実験阻止のために、北朝鮮への先制攻撃を検討した。しかしその作戦計画は38度線を挟んだ南北朝鮮の軍事的緊張とその戦闘力を考慮すれば、同盟国・韓国ソウル首都圏の炎上、100万人を超える死傷者を生みだし、朝鮮半島を焦土にする可能性があるとして封印された経過がある。当時より高い殺傷力を伴う軍事力が38度線を挟んで存在することを考慮すれば、現在も先制攻撃論は空論である。
それでも、北朝鮮を軸にして朝鮮半島の緊張構造が存続する限り、かつ北朝鮮の核武装とその運搬手段が高度化されるならば、偶発的な出来事が戦争のボタンを押し、制御できない事態に陥るリスクを否定できない。ここに朝鮮半島の核爆発を含む深刻な戦争リスクがある。
●安倍政権はこの半島緊張激化の過程で、一貫して北朝鮮への批判と制裁強化を強め、しかも、米空母カールビンソンとの共同訓練に海上自衛隊艦船を派遣し、護衛艦いずもを米艦護衛としてこの戦争準備行動に参加した。集団的自衛権行使の安保関連法の適用と称している。余り知られていないが、自民党は3月末に北朝鮮先制攻撃のための提言を安倍内閣に行い、安倍体制を強く支えようとしている。
新聞報道ではこの半島有事への緊張激化を奇貨として危機情報の発信システムと在韓邦人の避難作戦の実験をしている。安倍内閣が果たすべきことは、制御不能状態にならないように朝鮮半島での戦争リスクをどう緩和するのかが国政上の最大のテーマである。北朝鮮・朝鮮半島に戦争が勃発しないよう―偶発的であるかどうかに関わりなくー緊張緩和の策をとるべきである。安倍首相の政治ベクトルは逆である。
●この半島有事の危機と戦争リスクを低めるために次のように表明する。
第一に、トランプ政権は金正恩政権への先制攻撃計画を放棄し、北朝鮮への軍事的圧力の政策を直ちに停止することを求める。
第二に、金正恩政権は核・ミサイルを瀬戸際外交に使う政策を直ちに停止することを求める。
第三に、北朝鮮の非核化に向けた6者会談の再開と日朝交渉の再開を強く求める。
第四に、韓国の文大統領が掲げている朝鮮半島の南北統一、朝鮮民族の統一への道が切り開けることを強く期待したい。
私たち自治体議員立憲ネットワークは、朝鮮半島と東アジアの緊張緩和のために、とりわけ韓国の自治体議員との連帯を求め、日韓両国の国境を越えた市民の平和連帯の輪をさらに大きくしたい。私たち自治体議員立憲ネットワークは朝鮮半島危機が平和的手段で解決されることを強く求め、そのために闘いぬく意思を表明する。(以上決議する・5月14