13日は、お盆の入り。
俗に、地獄の釜の蓋があくというが、
ご先祖の霊が、年に一度帰ってくるといわれている日だ。
13日は、その霊をお迎えするための、目印、迎え火を炊いて、
その火で、ともした線香と、まずは、お茶を仏壇に供え、
精進料理でもてなす。
15日にの晩、「お立ちのそうめん」で送るまで、3度の食事を供えるのだ。
もちろん、土地土地で習慣は違うことだろう。
五目寿司やぼたもち、酢の物、精進揚げ、ナスの田楽など
とにかく、生臭ものを使わない料理を工夫して精一杯のおもてなしをする。
歳をとった母がひとりでこれらご先祖の供養をするとなると大変だ。
姉妹で駆けつけ、なんとか、お迎えを済ます。
迎え火をたき、お迎え団子やお供え物のそろった仏壇に
四角い黒塗りのお盆に
炊き立てご飯と味噌汁、お茶、
姉に買ってきてもらった煮しめを盛り付けた。
「玉恵さん、どこで買ってきてくれたの」
「これはね、青葉台の東急よ」
じゃああ、というわけで、姉と二人、
「青葉台東急で買ってきた煮しめですがお召し上がりください」
チーーーン、合掌。
ほおずきを飾った仏壇、おがらの箸、茄子とみそはぎのどんぶり。
変わらぬお盆の飾りつけだが、
かなりの略式。
それでも、
「孫たちが来て、これだけやってくれるから、おばあちゃんも喜んでいると思うよ」
と母の感謝の言葉。
15日は、敗戦記念日。
「フォーラム平和人権環境」主催の
千鳥ゲ淵戦没者墓苑での慰霊式に参加。
その後は、日本教育会館で
市民文化フォーラム8,15集会。
今年は
「格差と連帯」---新たな共同性を求めてーーというシンポジウムが開かれた。
パネリストは
全国コミュニティユニオン連合会会長(なのはなユニオン代表など歴任)鴨 桃代
ジャーナリスト 斉藤貴男
連合非正規労働センター総合局長 瀧井葉ニ
自立生活サポートセンター「もやい」事務局長 湯浅誠
司会 小森陽一 (市民文化フォーラム共同代表)
(敬称略)
連合が市民運動や非正規雇用の労働運動とともに
連帯していくことを、曲りなりに表明した画期的なシンポといえる。
そして、市民運動側も
様々な価値観からの運動が重視されているなかで、
まずは組合運動、
そして、もっと闘いを!
もっと闘うためにも、闘わないところでのつながりをつくる必要がある
場をつくりだそうと締めくくった。
斉藤貴男さんからは、働く場からの戦いもだいじだが、
思想精神の自由といった社会的な価値観を大事にする社会を目指して欲しいと注文が付いた。
もちろんすっぽり抜け落ちている視点があったのは鴨さんも百も承知で
「やっぱり組合運動」に同意を出していた。
女性の自立、働きたい女性が働ける就労支援問題
社会が「お一人様」になっていくことなどは語られずじまいだったが
80点のシンポだった。
送り火は兄夫婦にまかせ、
8時まで開館の近代美術館によって帰宅。
鏑木清方の「舟遊び」大作をみる。
画家の戦争責任を問うつもりはないが、
大陸で描かれた絵の多いことよ。
それだけで、絵画としての価値を下げては悪いが
8月15日にはそういう目で見てしまう。