以下、平成25年度決算の不認定討論です。共産党と市原が不認定でした。
平成25年度は、高橋市長が自ら編成提案した予算によって市政運営がされた年で、
中学校給食委託事業者の突然の事業辞退宣言に始まり、年度末には待望の第3特養建設が建設費の高騰により頓挫しかける、また改修して民間に貸し出す予定の市役所の食堂も厨房の設備費が高く、参入業者が見つからないなど、様々なアクシデントの多い1年であったといえる。建築資材や建設労務単価の上昇での入札不調は全国的な流れであるが、中学校給食委託事業者の場合は、そういった背景とは違う状況で、市政運営にとっても大変なことであった。そして中学校給食委託事業者の事業返上願いに関しては、教育長・市長の的確な判断で給食中止は残念なことではあったが混乱を引きずらずに済んだと言え評価する。しかし、なにより給食がなくなってしまう中学生とその親にとっては、どのように対応したのか、当事者の意見や思いを聞いて欲しかった。その後の検証総括が、議会でも指摘されたとおり、真剣に行われなかったことは逆に全く評価できない。前の市政が推進したこととは言え、検証作業にもう少し真摯に取り組む姿勢が欲しかった。弁当併用にしておけば、三鷹給食の事業規模でも十分やっていけたはずなので、食と教育をどう考えるかの根源的議論をこの際して欲しかったと指摘する。中学校給食センターの建設と新たに食缶方式の導入は英断であるが、そもそも論を市民は求めていたし、我々少数会派はその点に関する議論不足議論不足があったことを指摘し、そもそも不満であることを改めて表明する。
施設規模の長大さは、この際、あらゆる施設で検討し直されて良いと言えるのではないか?
しかし、民間委託が常態化する公共サービスにあっては、委託業者や委託金額の見通しのずれは今日では避けて通れないものといえ、大切な命が損なわれることがなかったことだけはよかったと思うが、公契約条例の検討こそこういった公的なサービスの民間委託を進める上での大切な視点であることに早く認めるべきであると指摘する。
教育の分野では、ほかにも市民センターの改修計画を巡って行政の出した案を改修検討委員会に提案し、公民館運営審議会会長が抗議の辞任をしている。挙句に、改修案に反対をしている利用者団体の活動に対して弾圧が加えられ、最終的に市役所が謝罪するといったことも起ることにつながっていった。
高橋市長が就任した24年度には基本計画を市長の重点課題に沿って見直したが、重点課題の安心安全や財政再建がそれぞれバラバラでそこここにトラブルといったほころびが目立つ。市政運営の基本に憲法を据え、基本的人権を擁する市政運営をしていただきたい。突然の民家園の公営化決定や市民センターの改修規模を大きくし、挙句利用者の反対にあうなど、無駄なエネルギーを使ったといえる。市民センターの改修案を作ったコンサル業者への支払いなども無駄なものどころか市民には害をもたらし、修正運動に多大なエネルギーを使わせたことは問題である。
高橋市政は中学校給食をしょくかん方式にすることを英断し、中学校にエレベーター設置を決めたことで、大きく評価できるがそれは議会側の強い要請によるものである。残念ながら市役所自らが提案してきた事業は少なく、プレイパーク事業やまちづくり条例の改定や解体条例の制定など議会や市民が根強く提案要請してきたものに進展が見られているだけで、高橋市政に独自性がいまだ感じられない。
しかし、公約である水道道路の拡幅や和泉多摩川緑地の都立公園化に向けた取り組みに一定の進展があることは評価できるが、市政運営の基本をどこに置くか常に考えて行って欲しい。和泉多摩川緑地の都立公園化に際しては将来管理者を返上するために公園化の基本構想を市民参加で作り始めている。同時に都市計画変更を行わなければならないが、ここまではしっかりやっていただきたい。それにしても、環境や景観の視点がどれほど担保されるのかが不安である。開通した都道や土手上の舗装は、緑地としてのカウントを損なうもので、ミチゲーションをどうするのか大変心配である。
社会教育分野では国体の開催や狛江市史編纂事業は評価するものの、市民センターの施設修繕や図書館計画や文化財保全展示施設計画の作成が課題となっていながら、拙速に市民センターの拡大改修案を作ったことはいまだ理解できない。市民センターの改修検討のワークショップを開催するとのことであるが、図書館計画や文化財展示施設をどうするかの検討もしていく中から結論を出してほしいと要請する。そして、改修検討委員会の総括を初めにしてから市民ワークショップにとりかかって欲しいと要望する。
防災センターは1つのフロアーをホールとすべきであったと指摘する。
市役所の食堂に関してはもっといろいろな検討がなされるべきであった。
厨房設備をはじめは参入業者が負担するはずだったのを、あっさり市役所の負担としたことも説明責任を果たしていない。厨房設備の負担ができないことで、市内のNPOなどが参入できないでいたはずである。売店の場所も自動販売機にしてしまうとはもっと豊かな空間を作れたのではないかという市民の思いをここでは代弁したい。
教育分野チェックが教育委員会での議論も少なく、なかなか議会でもできていない。タブレット端末の整備やQUアンケートの実施などの教育予算の評価検証制度が確立されていないのは課題であると指摘する。
国保税の徴収率が低いのが問題であったが、国保税において徴税率を向上させた職員の努力は評価するものの、差し押さえのやり方に問題が残った。国保税の滞納者に対しては、ほかの保険に移行したのかなどの調査を徹底しているのか?滞納者には滞納した時点でそれまでの保険証は使えなくなり医療カード(100%の本人負担での受信となることの告知と納付後は払い戻しがあることなどの告知と同時に納税相談を行うことで市民の納税意識は向上すると思えるがいかがか?差押えだけでなく、まずは、人権を擁護し、法的にきちんとしたことを履行する中から、市民の納税意識を向上させることこそプロの納税マンと言えることを指摘したい。
さまざまに指摘したいが長くなるので最後に臨時財政対策債を満額借りるのかどうかということについては、25年度は当初は満額借りたが最終的には2.2億円満額より少なく借りている。26年度までの3年間で抑制した額は5.7億円にもなる予定だという。その借金抑制が将来財政運営上楽になってくるとの一般質問でのやりとりであった。
25年度は市庁舎耐震改修や食堂の整備費用が大きくかかった。地域センターや保育園の改修など公共施設の改修事業がこれからも目白押しとなる。財政数値から見ると法人税の落ち込みが大きく、一方、大型マンション完成による市民税への影響は26年度から反映されるとのこと。総体で昨年度並ではあるが公債費借金返済が10.1%になって来ていることは財政規律を守りつつの市政運営ということで評価できるかもしれないが、
中学校給食センターなどの新規事業の規模をかなり絞ることも可能ではなかったか?
建設債や投資的な経費を抑えて、義務的な経費に臨時財政対策債を満額当てていくということも選択肢ではある。従って、高橋市政の方向性が本来の地方自治における住民福祉やまちづくり、仕事つくり、シティセールスというか街の活性化、市民事業やたすけあいなどのあり方でどうなのかというところで舵取りが求められていくときに、果たして中身があるのかということとなっていくであろう。そうした時に、職員の法務能力の劣化や、繰り返される市民要望との齟齬をみていると大変不安になるということは言わせていただく。もう一度何が大切か考え直してほしい。
以上のようなことを述べて、市民的な市政運営だったかどうかという点で評価をした場合、評価できず、決算は認定し難く不認定とする。